厳しい電力事情 2012 7 16

 政治家たちは、安易に節電と言うけれど、中小企業には厳しいものがあります。
その上、高い電力コストを放置すれば、日本国内から雇用が失われていくでしょう。
 日本企業の99%は中小企業です。
政治家たちは、雇用については気にしないのか?

2012年7月16日の日本経済新聞Web刊には、このような記事があります。
「厳しい電力事情、海外調達でしのぐ 中小企業が国内生産から海外シフト」
 節電要請や電気料金値上げを受け、
金属加工など大量の電力を使う中堅・中小メーカーが工場の操業を絞り、
製品の一部を海外から調達して供給を維持する動きが出てきた。
 自家発電装置を導入したり高い電気代を払ったりして国内で生産するよりも、
アジア諸国から輸入する方がコスト面で有利との判断だ。
厳しい電力事情が中堅・中小企業の「国内脱出」加速につながる可能性もある。
 フォークリフトや建設機械の部品製造を手がける金属加工メーカー、
トヨシマ(大阪府池田市)は今夏、
関西電力管内にある主力工場のフォークリフト部品の生産量を3割減らし、
不足分は中国・蘇州市にある子会社工場からの輸入で賄う。
 鋳物製造の辻井製作所(埼玉県川口市)は9月から、
技術指導をしているベトナムの工場からの鋳物部品輸入を本格的に始める。
「電気料金などが上昇するなか、コストを維持するには海外生産しかない」という。
 現地の人件費や輸入には有利な円高も勘案すると、
輸送費を含めても電気料金が高い本社工場で作るよりも有利になる。
(以上、引用)

電力コスト 2012 7 7

高い電力コストを放置すれば、日本国内から雇用が失われていく。

2012年7月7日の日本経済新聞Web刊には、このような記事があります。
 JXホールディングス系の東邦チタニウムは、
2016年にもマレーシアで500億円を投じ、チタン製錬所を建設する。
 低燃費タイヤの合成ゴムで最大手のJSRはタイで工場を建設、
海外生産比率を7割にする。
 電力コストなどの高い日本より海外に投資し、
世界での優位性を守る動きが高機能素材に広がってきた。
 (東邦チタニウムは)これまでは日本だけで生産し、
日欧の航空機部品メーカーへ販売していた。
 マレーシアで生産するのは円高対策に加え、
電力コストを大幅に抑えられるため。
 大量の電力を消費するチタンは、価格の約3割が電力コストとされるが、
マレーシアの同コストは日本の半分から10分の1程度という。
(以上、引用)
 私は、2011年7月2日に、電力と産業を考える上で、
日本のアルミニウム業界がたどった道のりは、大いに参考になりますと書きました。
 アルミニウムは、「電気の塊」と言われることがあります。
つまり、アルミニウムを作るには、大量の電力が必要となるのです。
 日本は、外国に比べ電力料金が高く、
国内でアルミニウム精錬は、経営的に困難で、
次々と生産拠点が海外に移ったのです。
 こうした動きが、ついに高機能素材にまで広がってきたのです。
高い電力コストは、日本国内、特に地方において工場閉鎖を招き、
次々と、働く場所がなくなっていくでしょう。
 そのことを政治家は、わかっているのか。
今の政治家は、人気取りに夢中となっていますが、
それで票は集まるが、日本国内から雇用が失われていくでしょう。
これは、「衆愚政治だ」と言わざるを得ないのです。



























































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